あと『マルタ・サギーは探偵ですか?』シリーズを1巻から最新刊まで読破。
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1月は3冊とも少年向け。
左から、
◆タザリア王国物語3 炎虐の皇女 スズキヒサシ(電撃文庫)
後半の容赦ない展開に心が痺れました(ぇ
◆火の国、風の国物語2 風焔相撃 師走トオル(富士見ファンタジア文庫)
ちゃんとした戦記ファンタジーで、いつどう状況が転ぶか分からないのがいいです。
◆マルタ・サギーは探偵ですか?5 探偵の堕天 野梨原花南(富士見ミステリー文庫)
主人公の精神的な成長と、ある別れのシーンが印象的でした。
長くなってしまいました。見にくい上に説明下手ですいません…。もっと上手く説明できたらいいんだけどなー。
◆タザリア王国物語3 炎虐の皇女 スズキヒサシ
リネアはずっと考えていた。どうすればいいのか。どうすれば、彼を王位から引き摺り下ろし、ただの少年として、また自分の足元に跪かせることができるのか。そのことを考えるだけで、彼女の心はどす黒い喜びに満ち、彼を突き落とす瞬間を思って安らいだ。
――早くそうなればいいけど、そのためにはもっと待たなくては。
――時間と労力をかけてじっくり取り掛かるのも悪くないわ。
会談を続けるジグリットを見つめながら、リネアは朗らかな笑みを浮かべていた。
(P30より)
『タザリア王国物語』シリーズは、現在3巻まで電撃文庫から発売中。
<ストーリー>
孤児として貧民街で暮らしていたジグリットは、ジューヌ皇子と瓜二つだったため、彼の影武者として王宮へ連れて行かれる。やがて戦場でジューヌが死んだ時、生きるために密かに彼と入れ替わり、生来の賢さでもって巧妙に皇子に成りすますのだった。
3巻ではついに王になるが、次々と問題が起こり、さらにタザリアを狙う隣国ゲルシュタインの新皇帝も動き出す…。
<見所>
①ジグリットの活躍。精神的にも肉体的にも軟弱だったジューヌとは違って、頭もよく武術にも優れ性格も勇敢なので、次々と問題を解決していきます。でもちょっと(いやかなり?)無謀なところも…。
②リネア皇女(ジューヌの姉)のジグリットへのヤンデレ。ジグリットを虐めてばかりでほとんどデレ部分がないですが。邪魔者は徹底的に排除する人なので、ヤンデレを抜きにしても人間的に怖い人です…。3巻ではついに、色々やらかしました。
③ジグリットと騎士ファン・ダルタの仲のよさ。特にファンのジグリットへの忠誠は相当なもので、今回も告白まがいの事を真顔で言う始末。当初は無愛想で冷徹だったのに、ジグリットにメロメロでちょっと嫉妬深い男に…。
④3巻初登場のゲルシュタイン新皇帝とその妹。人間的にどちらも相当ヤバイ上に怖い。
⑤容赦ない鬱&痛い展開。主人公だからそこまで酷い目に遭わないはずと思っていると、最後に度肝を抜かれます。
詳しいことはWikipediaでも見られますよー。ただし登場人物紹介のところで、3巻ラストのネタバレがさらりと書いてあるのでご注意。
◆火の国、風の国物語2 風焔相撃 師走トオル
その騎士は、なぜか馬には乗っていなかった。だが、近衛騎士の証たる赤い甲冑と、そして王国貴族の証たる赤いマントとを身に付けていた。
そんないでたちをしている騎士など、今の王国にはたった一人しかいない。兵士たちはその事実に思い当たり、歓声を上げた。
「アレス卿だ! ファノヴァールの騎士が救援に来てくれたぞ!」
(P320より)
『火の国、風の国物語』シリーズは、現在2巻まで富士見ファンタジア文庫から発売中。
<ストーリー>
大地震・飢饉・領主の横暴が原因で、ベールセール王国北部で農民による反乱勃発。指導者ジェレイドの智謀と〈風の戦乙女〉ミーアの不思議な力に支えられた反乱軍は、大方の予想を裏切って領主を討ち取り、王都へ南下してくる。ついに差し向けられた王国軍の中には、武勇で名高い騎士アレスも加わっていた…。
2巻では、ついに〈赤の悪魔憑き〉アレスと〈風の戦乙女〉ミーアが初対決。
<見所>
①アレスの人間離れした戦いぶり。謎の精霊パンドラにちょっとした力と助言を与えてもらっているとはいえ、色々非常識です。そしてその強さや曲がったことが大嫌いな性格ゆえに、妬み等を買って内部でも敵を作り上げてしまうのでした…。
②ジェレイドの智謀。ジェレイドの作戦は緻密で、ひとつひとつのちょっとした出来事が繋がっていき、最終的に反乱軍が勝つための状況が出来上がるところが凄いです。
③アレスVSミーア。一騎当千な戦い方をするアレスと、風の女王の力を借りて強大な風の黒魔術を放つミーア。どちらも相当非常識で、見ごたえがある戦いです。
④アレスと王女クラウディアの微妙な関係。クラウディアは完全にアレスが好きで、アレスも彼女に主に対するもの以上の感情を抱いているようですが、身分差のためなかなか発展せず。
◆マルタ・サギーは探偵ですか?5 探偵の堕天 野梨原花南
春の青い空。
石造りの建物の屋上。
動かない空気、止まった時間。
消え残る煙玉の煙と、
ドクトル・バーチ。
ああ。
そうだバーチ。
マルタは視界が涙でにじむのを感じた。
僕はここに。
まさにここに戻ってきたかったんだ。
(P203・204より)
このシリーズは、現在長編5巻+短編集2巻が富士見ミステリー文庫から発売中。
<ストーリー>
高校を辞めたある夏の日、不思議なコンビニに入った鷺井丸太は『名探偵』のカードを当てためにカード戦争に巻き込まれた挙句に異世界オスタスに飛ばされてしまう。丸太はマルタ・サギーと名乗り、生きていくために仕方なく『名探偵』のカードを使って事件を解決したり、好敵手である怪盗バーチと戦ったりして、オスタスの人々と交流を深めていく。
5巻では、カード戦争委員会により元の世界へと戻された丸太が、オスタスに戻るために奔走する。
<見所>
①カードバトル。一応メイン。『名探偵』はイレギュラーの上マルタにしか使えない特定カード(つまりレア)なので、マルタを殺して奪い取ろうとする人多し。のでバトルには負けられません。またカード戦争が何のために開かれているのかなどの謎を解くためにも使えるカードなので、余計狙われます。
②『名探偵』による事件解決。“世界の法則さえ捻じ曲げて事件を強制的に終結させる”『名探偵』のカードはかなり便利。これさえあれば、あっという間に事件解決。カードバトルの場合でもかなり便利というか、相当えげつない効果が出ます。
③バーチ・マリアンナとのやり取り。怪盗バーチの正体は、美女マリアンナ。マルタを気に入っているマリアンナは事あるごとに接触しようとするし、マルタも彼女を意識しています。4巻ではマルタはマリアンナへの恋心をバーチに相談し、バーチはアドバイスしながら密かに上機嫌という状況も。
④マルタの成長とある別れ。5巻ではマルタは精神的に成長を遂げます。またある別れを体験することに。「別れ」の真の意味を理解した時の、マルタの涙が切ないです…。
Wikipediaにもちょこっとだけ載ってます。